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画家の本懐|山口晃「すゞしろ日記」「すゞしろ日記弐」

2016年11月17日 - Comic Kritique, Kritique
画家の本懐|山口晃「すゞしろ日記」「すゞしろ日記弐」

会田誠さんの友だちである画家、山口晃さんの日乗を描いた日記である。すゞしろとは大根のことで、春の七草のひとつらしい。漢字が書くと蘿蔔と書く。読めないです。昔は大根のこともおおねと呼んでいて、その後だいこんと読むことになったらしい。そういえば映画監督に大根仁という人がいておおねひとしと読む。「モテキ」の監督である。閑話休題。

この漫画は、だいたい家に引きこもっている山口さんの生活と意見を描いているので、話の内容に同居人である奥さんがいつも出てくる。「むはは」と笑い、顔が丸い。口が悪く、大食いである。奥さんのこと知らないのになぜか愛情を感じるのはなぜだろう。山口さんは小心者らしいがたまにかんしゃくを起こしている。なんということもない日乗なのに読んでいると気持ちがほっこりする。壱日中読んでいても飽きないような気がする。ダメ人間製造本かも知れない。寝る前に読むのがいいかも知れないな。

誰にでも薦めたい本というのは意外と少ない。「サザエさん」にしろ、「ちびまる子ちゃん」にしろ、「あたしンち」にしろ、他人の日乗生活ほど楽しめるほど人間は人格が出来ていない。よく考えたら自分の生活でかつかつであるから、やっかみや暴動がおこるので、多くの人は「しょせん家のことさ」とはとても思えないので、物語化しつつ自らの人生を生きるのだ。

孤独に生きる勇気がない人にはこの本を読み、家庭を持つことを薦める。もしかしたら男の生きる道がここには書かれているのではないだろうか。毎日仕事をしながら自らの死を思い、子供の時の不安な気持ちに囚われる、ナンセンスとユーモアのバランスの良さがこの本の持ち味である。こういう人に私もなりたい。賢治か。私は賢治ではない。
そんな賢治ではない私が奨めるのもなんだが、幾ら読んでも飽きない「すゞしろ」というより「スルメ」のこの漫画をお薦めします。

じゃまた。

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