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文学

タージ・マハルはアンチ・クイーンになりたい。|白川三兎「田嶋春にはなりたくない」
 白川三兎はミステリ小説家である。2009年に『プールの底に眠る』に依って第42回メフィスト賞を受賞してプロデビューを果たしている。作風は幻想的奇想的な設定ながら人間の心理を追うことで心理的推論を重ねる形式をとっている。 […]
魔女の台所|吉本ばなな「キッチン」
「キッチン(新潮文庫)」は「わたしがこの世で一番好きな場所は台所だと思う。」という印象的な一文から始まることで有名な小説ですが、その小説が発表された当時、そのリリカルさと文学性の高さからとても高い評価をされました。  し […]
密室の哲学者|ポーシャ・アイバーセン「ぼくは考える木」
「ぼくは考える木」はポーシャ・アイバーセンによるノンフィクション小説である、であろうと思う。「ぼくは考える木」は一人の自閉症患者の主人公にしている、そしてその自閉症患者は自分の内面を確かに表現できる優れた詩人なのだ。そし […]
新しい年への手紙|朝吹真理子「流跡」
本を手に取ろうとして、手に取れず云々と心が鬱屈してしまう時が度々あり、それは余程体力が落ちていることであることが分かる。そういう時は特に何もせずじっとしていることも良いかも知れないが、私は蒲団の中に潜り込みながら「流跡」 […]
けものづくし 真説・動物学体系|別役実|平凡社ライブラリー|1993
思考のレッスン|別役実「けものづくし」
テレビなどメディアで情報らしき断片を元に描かなくてもよい雑感を書いていると、暗鬱とした気持ちになり「やはり描かなければ良かった。」という気分に陥る。澱のようなものが足の裏の方にだんだんとたまってくる感じだ。結局自分で澱を […]
どっちやねん。|松永天馬「少女か小説か」
現代の少女小説の亜種としての小説 現代における少女小説は何処に行ったのだろうか。斎藤美奈子が『L文学読本』という少女文学大全的な書物を出していた。さてLとはどういう意味だろうか。J文学の場合、ジャパンのJなので、日本の文 […]
名言と共に生きる男|太宰治「走れメロス」「畜犬談」他
太宰治を優秀なコピーライターであると看破したのは北村薫著『太宰治の辞書』であるが、なるほど太宰治ほど名言に彩られて生きた作家は居ないだろう。例えば『二十世紀旗手』の冒頭に掲げられた「生まれて、すみません」という言葉。太宰 […]
わすれないで|峠三吉「原爆詩集」
日本はかつて戦争を行って負けたらしい。らしい、と書いたのは私自身戦争を体験したことがなく中沢啓治著の漫画作品「はだしのゲン」を読んで怖いと思った記憶しかないからだ。 それから幾数年経った今、いまだ日本は戦争をしていない。 […]
アリス・イン・マーダーケース|不思議の国のアリスミステリーアンソロジー「アリス殺人事件」
『アリス殺人事件』というタイトルから想像できるのはアリスという名前のキャラクターが殺された、と考えられるが実はそうではない。『不思議の国のアリス』という小説が殺された、ことを指すらしい。 どういうことだろうか。そこで『ア […]
私たちが魔女だったころ|松浦理英子「葬儀の日」
松浦理英子は1958年5月7日、愛媛県松山市に生まれた。2018年、現在59歳になる。幼少期を四国地方の各地で過ごしていた。青山学院大学仏文科卒業。10代のころよりマルキ・ド・サドやジャン・ジュネを愛読していたそうだ。も […]