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小説

タージ・マハルはアンチ・クイーンになりたい。|白川三兎「田嶋春にはなりたくない」
 白川三兎はミステリ小説家である。2009年に『プールの底に眠る』に依って第42回メフィスト賞を受賞してプロデビューを果たしている。作風は幻想的奇想的な設定ながら人間の心理を追うことで心理的推論を重ねる形式をとっている。 […]
魔女の台所|吉本ばなな「キッチン」
「キッチン(新潮文庫)」は「わたしがこの世で一番好きな場所は台所だと思う。」という印象的な一文から始まることで有名な小説ですが、その小説が発表された当時、そのリリカルさと文学性の高さからとても高い評価をされました。  し […]
新しい年への手紙|朝吹真理子「流跡」
本を手に取ろうとして、手に取れず云々と心が鬱屈してしまう時が度々あり、それは余程体力が落ちていることであることが分かる。そういう時は特に何もせずじっとしていることも良いかも知れないが、私は蒲団の中に潜り込みながら「流跡」 […]
どっちやねん。|松永天馬「少女か小説か」
現代の少女小説の亜種としての小説 現代における少女小説は何処に行ったのだろうか。斎藤美奈子が『L文学読本』という少女文学大全的な書物を出していた。さてLとはどういう意味だろうか。J文学の場合、ジャパンのJなので、日本の文 […]
名言と共に生きる男|太宰治「走れメロス」「畜犬談」他
太宰治を優秀なコピーライターであると看破したのは北村薫著『太宰治の辞書』であるが、なるほど太宰治ほど名言に彩られて生きた作家は居ないだろう。例えば『二十世紀旗手』の冒頭に掲げられた「生まれて、すみません」という言葉。太宰 […]
アリス・イン・マーダーケース|不思議の国のアリスミステリーアンソロジー「アリス殺人事件」
『アリス殺人事件』というタイトルから想像できるのはアリスという名前のキャラクターが殺された、と考えられるが実はそうではない。『不思議の国のアリス』という小説が殺された、ことを指すらしい。 どういうことだろうか。そこで『ア […]
私たちが魔女だったころ|松浦理英子「葬儀の日」
松浦理英子は1958年5月7日、愛媛県松山市に生まれた。2018年、現在59歳になる。幼少期を四国地方の各地で過ごしていた。青山学院大学仏文科卒業。10代のころよりマルキ・ド・サドやジャン・ジュネを愛読していたそうだ。も […]
説教と教訓の童話作家|シャルル・ペロー著/澁澤龍彦訳「長靴をはいた猫」
シャルル・ペローの『長靴をはいた猫』について 『長靴をはいた猫』はシャルル・ペローが収集した童話集を澁澤龍彦が訳したものである。なので正確に書くと、やはり『ペロー童話集』になる。あくまで澁澤龍彦の世界が投影されているため […]
断絶されていた世界の片隅で愛を叫んだ除け者|カズオ・イシグロ「日の名残り」
カズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞したけど、名前からわかる通り、カズオ・イシグロさんは日本人だ。なので今回日本人でノーベル文学賞を受賞したのは川端康成と大江健三郎に続いての三人目になる。けど実はカズオ・イシグロさんは […]
占い探偵の系譜|北村薫「中野のお父さん」
ミステリ小説を読む楽しみの一つに名探偵の活躍が存在する。主人公が登場したとたんに電光石火に謎を解く姿は現実にはあり得ないので、胸がすく思いがする。最近だと舞城王太郎が清涼院流水が作り出した超人探偵「九十九十九」をパスティ […]