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タグアーカイブ: 短編小説

魔女の台所|吉本ばなな「キッチン」
「キッチン(新潮文庫)」は「わたしがこの世で一番好きな場所は台所だと思う。」という印象的な一文から始まることで有名な小説ですが、その小説が発表された当時、そのリリカルさと文学性の高さからとても高い評価をされました。  し […]
どっちやねん。|松永天馬「少女か小説か」
現代の少女小説の亜種としての小説 現代における少女小説は何処に行ったのだろうか。斎藤美奈子が『L文学読本』という少女文学大全的な書物を出していた。さてLとはどういう意味だろうか。J文学の場合、ジャパンのJなので、日本の文 […]
名言と共に生きる男|太宰治「走れメロス」「畜犬談」他
太宰治を優秀なコピーライターであると看破したのは北村薫著『太宰治の辞書』であるが、なるほど太宰治ほど名言に彩られて生きた作家は居ないだろう。例えば『二十世紀旗手』の冒頭に掲げられた「生まれて、すみません」という言葉。太宰 […]
アリス・イン・マーダーケース|不思議の国のアリスミステリーアンソロジー「アリス殺人事件」
『アリス殺人事件』というタイトルから想像できるのはアリスという名前のキャラクターが殺された、と考えられるが実はそうではない。『不思議の国のアリス』という小説が殺された、ことを指すらしい。 どういうことだろうか。そこで『ア […]
説教と教訓の童話作家|シャルル・ペロー著/澁澤龍彦訳「長靴をはいた猫」
シャルル・ペローの『長靴をはいた猫』について 『長靴をはいた猫』はシャルル・ペローが収集した童話集を澁澤龍彦が訳したものである。なので正確に書くと、やはり『ペロー童話集』になる。あくまで澁澤龍彦の世界が投影されているため […]
占い探偵の系譜|北村薫「中野のお父さん」
ミステリ小説を読む楽しみの一つに名探偵の活躍が存在する。主人公が登場したとたんに電光石火に謎を解く姿は現実にはあり得ないので、胸がすく思いがする。最近だと舞城王太郎が清涼院流水が作り出した超人探偵「九十九十九」をパスティ […]
3×3×3|飯田茂実「一行物語集 世界は蜜でみたされる」
この世には言葉では表現できないものがある。例えば騒音。所謂ノイズというものだ。この騒音と関わるのは都市生活者にとって当たり前のことであり、自動車の走る音から信号機の音、他人の喋り声、携帯から漏れる音楽、電車の走る音、エア […]
甘美な生活|室生犀星「蜜のあわれ/われはうたえどやぶれかぶれ」
最近見た映画に「蜜のあわれ」がある。この映画は室生犀星の小説、「蜜のあわれ」を原作にして作られたものだ。三角関係妄想をもとに作られた作品で、対話形式だけでできている部分が「りすん」という小説と似ている。または、「蜘蛛女の […]
言葉が無い世界|田中小実昌「ポロポロ」
子供のころから、いろいろな小説を読んできたせいか、自分の中にオリジナルな物語が存在しないような気がしている。というか自分の人生をあまり現実と感じられないときがある。何故現実と感じられないのか。それは私の感じているものがあ […]
誰のために絵を描く|竹久夢二「童話集 春」
働いているわけではないけれども、一日中決まった場所にいてやるべきことがあると人はそれを仕事と呼ぶことがある。ということはお金が生じなくとも仕事は成り立つ。 しかしある程度金銭のやり取りがなければ仕事をして生活を成り立たせ […]